わしのみやま そのはるあきは ほどふれど
みのりのはなは なおにおいけり


 岩戸観音の通称で親しまれている雲巖寺は、九州西国霊場のなかで唯一馬頭観音を本尊に祀るが、これは、札所22番、23番、24番、26番、27番および廃寺となった堂崎観音と一木同作といわれる「行基七観音」と称ばれるなかの一体とされ、行基自ら敬刻のその馬頭観音を安置したのにはじまると伝えられ、その後、中国寧波より来朝された東陵えいよより、観応2年(1351)雲巖寺は建立されたとされる。
 えいよは夢窓疎石と会い、京都天竜寺、南禅寺、鎌倉円覚寺、建長寺などを歴住したが、貞治4年(1365)入寂。「妙応光国慧海滋済禅師」の勅号を下賜される。寺には木造の禅師倚像が遺るが、これは国の重文に指定されている。
 境内は県の史跡名勝に指定されており、裏山の岸壁には十六羅漢と五百羅漢が並び、また、奥の院の霊巖洞内には石体四面の観音像が安置されている。伝えるところでは、藩主細川忠利に懇望されて熊本入りした剣豪宮本武蔵が、忠利の求めに応じて寛永20年(1643)から2年間この洞窟内で坐禅したとされ、有名な「五輪書」はここでまとめられたといわれる。

四面馬頭観世音菩薩 東陵えいよ禅師
曹洞宗
〒861-5282 熊本県熊本市松尾町平山589番地
096-329-8854 096-329-8960


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まえの札所 つぎの札所
雲巖寺本堂

参道に立つ仁王像
霊巖洞内に
祀られる観音さま

武蔵が坐禅した
霊巖洞
五百羅漢石像


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